怪じゅうが町へやってきた

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なんだか、突然本が丸善から送られてきた。
なにか注文したっけ?
って思っていたら、2月に注文したものでした。
洋書なので、今ごろ来てもと怒ってみてもしょうがなくて、とりあえず喜びながら読みました。
なんだか、復刊が遅れたみたいなんですけど。。。
まぁ、日本では絶版みたいなので、それよりはいいですね。

届いた本は「怪じゅうが町へやってきた」です。
みなさん聞いたことあるかもしれません。
それの原書で、「The Griffin and the Minor Canon」です。

すごくいい話なんですよ。
本当に、オススメです。
でも、悲しい話ですね。
小さい頃、衝撃的でしたよ。
宮沢賢治の「オツベルと象」と「怪じゅうが町へやってきた」は、自己犠牲がとてもキーワードになっていて好きな話です。
ただ、「怪じゅうが町へやってきた」のグリフィンの方が、悪そうなイメージがあったり、少し堅物だったりするのがとてもいいなと思います。
それに、牧師さん(?)の絵がすごく幸薄そうなところも、雰囲気がありますね(笑)

モーリス・センダックというと、他の絵本の方が有名なのかもしれませんが、日本では紙芝居でよくやられているみたいです。
もしかすると、同タイトルなだけかもしれないのですけど。
それに、みんなのうたかどこかで、「怪じゅうが町へやってきた」の歌も作っていたような・・・。
なんとなくでしか覚えてないですけど。


The Griffin and the Minor Canon
Frank R. Stockton



そんなときなんていう?
セシル・ジョスリン モーリス・センダック たにかわ しゅんたろう Maurice Sendak / 岩波書店


ロージーちゃんのひみつ
モーリス=センダック なかむら たえこ / 偕成社







最初は、牧師さんを食べようとしていたグリフィンですが、牧師さんとの会話の中で、人間とのふれあいが面白くなってきます。
もちろん、人間は最初は警戒して、このグリフィンを殺そうとします。
ですが、この街にしばらくいるうちに、グリフィンは頭のいい生き物ですから、人間に色々なことを教えていきます。
学校で授業をして、子どもに教育したり、医者となって病気を看てあげたり。
でも、グリフィンは人間を食べないと生きていけません。
人間と仲良くすればするほど、人間を食べることができないなんて、本当に悲しい話。
その先はご覧になって確かめてください・・・。

オツベルと象に出てくる象は、餓死寸前の人間に谷の先に食べ物があるからそこに行きなさいとい言いました。
ですが、そこにあったのは、象の死体でした。
そうです。谷から、象は自分の身を投げたのです。

この「怪じゅうが町へやってきた」は個人の「生」や「死」を考えると同時に、その周りの観衆とは何かについても考えさせられます。
他人に無頓着な世の中です。
不満や悩みだけを自分の権利として主張しすぎる「観衆」とは何かとか、人間とは何かを考えてしまうお話です。
加えて、ご覧のとおり、すばらしい挿絵なので、ぜひともお手元に。
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by harry_hk | 2005-11-15 22:10 | BOOK