硬いし濃いけれど・・・

なんとなく硬い本を紹介。


小熊英二
『〈民主〉と〈愛国〉 戦後日本のナショナリズムと公共性』

c0058187_97477.jpg              新曜社 2002年
内容は、日本の敗戦を経て、いかに考え、行動したかを様々な人の生き方に着目して綴った歴史書です。中で登場するのは、丸山真男、大塚久雄、吉本隆明、竹内好、三島由紀夫、大江健三郎、石母田正、江藤淳、網野善彦、鶴見俊輔、小田実等々、一人だけを描いても十分な人物ばかりです。逆に言うとなぜこの人は登場しないのかという人もいますが。(〇原〇太郎とか)ですが、端的な人物史になっているので、これを一気に読むと「戦後」が分かるのではないかという、幕の内弁当のような書籍です。この本で面白いのは、それぞれの章にキーワードとなる言葉がサブリミナルのように多用されていることです。それは色々なのですが、特に気になったのは、アンビバレントという言葉です。目の前の事実に善とも悪とも言えない葛藤の中で、多くの人物たちは生きて来たということを述べていると思います。その揺らいだ心情が今の日本全体を構成しているということなのでしょうか。


びっくりするぐらい厚い本ですよ。
電車で読んでいたら、コワイ人かと思われるかも。


「民主」と「愛国」

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by harry_hk | 2005-02-22 09:35 | BOOK